教育の場としての問題と、アーティスト「ヒノテル」としての課題。

おろぉ・・・テルさんよぉ・・・。

ヒノテルさん、往年の御大だけあって(!?)、中々小難しい所のある、

まさに「アーティスト」って感じのお人ですな。

別に“小難しいジャズミュージシャン”だから・・ってんじゃなく、

氏の音楽の特長でもある“アーティスティックな”所から来ている・・という感じかなと。

同じ土俵で観られることの多いナベサダこと「渡辺貞夫」さんは、

その点でヒノテルさんとは真逆・・といってもいいような感じで、

アーティスティックな部分も小難しい部分もないとは言えないものの、

総じて「包容力」のあるお人。

貞夫さんも確かこの手のクリニックみたいな教えを何某かやってた気がするけども、

実際の所まで隅々わからないが、次代の青少年にジャズを教えるという観点では、

寧ろ貞夫さんの方がずっと適しているように思えますけどね。

だからといってヒノテルさんが適してない・・というわけじゃなく、

氏を慕う若手らが続いて来たことからしても、どうあれやはり才覚はおありだろうと。

ということを前提にしながら、チラッとその時の模様を観たけども・・

ん〜・・・、どうなんかねぇ。

確かにこの生徒の所作に問題があるのは確かだし、それを受けてヒノテルさんも

慌てた末の行動だったとも思われるので、悪意を全面にして・・

というわけじゃあ決してないことを見て取ることは、それなりに出来るけども・・。

但し・・。場所柄が場所柄、どうあれコンサートステージ上。

しかも相手は中学生で、開催の背景として「区教育委員会」による学習体験ってのが

名目にあるわけだから、それを考えりゃあやはりマズい。

記事にあるように、その親御さんが許容したとしても、あるいは観客の雰囲気として

それほど問題視されないものがあったとしても、“青少年教育”の一貫としてある以上、

ましてや練習時のような限定的場面ならいざ知らず、どうあれ結果としては

その状態を「公に晒してしまった」わけですからなぁ。

ヒノテルさんの情熱が高いことも厳しいこともよく知ってるので、

その点では何らも不思議はないんだけど、それはあくまで

「ミュージシャン同士、プロ同士」の中での話ですからねぇ・・。

それをのべつまくなし、しかも青少年教育の場にそっくりそのまま適用することは、

時として弊害は起こって然るべしでしょう。

まぁ、氏もどうあれもう旧世代・・というと怒られるけども、

厳しき時代を生き抜き、マーケット的にもジャンル的にも厳しい世界の中で勝ち抜いて、

しかも世界的な位置づけにまで上り詰めた方なので、その教えにも当時の背景要素が

大なり小なり及ぶのだろうと思いますが、しかしてその影響は現代上、

下手すると深刻な影響をもたらす・・ということはどうであれ有り得るし、

「広範な教育概念」としても、やっぱ問題はあると・・。

何よりもステージ上は「神聖なもの」・・としておられることはよくわかるし、

実際そうだからこそつい制裁を・・となったんだろうと簡単に推測出来ますけど、

別な角度からすれば、その神聖なステージ上で「醜い姿を晒した」ことも事実。

その整合性をどうやって付けるのかという、ヒノテルさん側としての課題が、

この件で浮上したということは一つ言える気がしますがねぇ・・。

■日野皓正氏、中学生の髪つかみ往復ビンタ コンサート中

(朝日新聞デジタル - 08月30日 21:33)